10/19 労働契約法18条

Category - 最近のニュースから 作成者:友弘 克幸

安倍政権の「雇用特区」構想は、二転三転したあげく、結局、

「労働に関するルールは全国一律でなければならない」

という、しごく当たり前の原則の前に断念を余儀なくされるという、これまた当然の結論に落ち着いたようです。

だいたい、「国家戦略特区WG座長」の八田達夫氏(大阪大学招聘教授→この写真の方)もおそらくそうなのだと思いますが、労働法をちゃんと勉強もしていない人(その根拠の一つがこちら)が、思いつきで好き勝手なことを「提言」するので、こういう混乱が生ずるのです。

労働法政策については、やはり、ちゃんと労働者代表や労働法学者が関与した場所で議論しなければなりません。

さて、くだらない「特区」構想が断念されてやれやれ、と思っていたら、今度は労働契約法18条を変えるという話が中心になるようです→こちら

この条文は、昨年の労働契約法改正で新設されたばかりの条文で、2013年4月に施行されたばかりの条文です。

労働契約法18条は、「有期労働契約が更新されて、通算契約期間が5年を超えることとなった場合」に、労働者に「無期契約に転換する権利」を付与するという画期的な条文です。

ただ、「5年」のカウントがスタートするのは2013年4月1日からなので、実際にこの条文に基づいて「無期契約になりました!」という人が出てくるのは、早くても2018年4月1日以降のことです。

そこで、昨年の法改正のときに、改正法施行の8年後(つまり、2021年4月)に、「その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」という附則が設けられました。(平成24年8月10日法律第56号附則3条)。

今出ている話は、まだ施行から半年しか経っていないこの条文を、さっそくいじろうというのですから、一体何のために?と首をかしげざるを得ないのです。

ちなみに、労働契約法18条がどんな条文か、ということについては大阪労働者弁護団で昨年出した「活用しよう労働契約法 第2版」で詳しく解説していますので、こちらもぜひよろしくお願いします(と、最後は宣伝でした)。