11/4 ワークルール検定

Category - ワークルールについて, 最近のニュースから 作成者:友弘 克幸

★今日、初めての「ワークルール検定」が実施されたそうです。

NHKニュースでも、かなり詳しめに取り上げられていました。

連合と、道幸哲也先生(北海道大学名誉教授)のNPO法人がタッグを組んで実施したとのこと。

ワークルールといえば、日本労働弁護団も先月、

「ワークルール教育推進法の制定を求める意見書」

を公表していました。

経営者と労働者、双方が最低限のワークルール(労働法)の知識を身に着ければ、それだけで、労働紛争はだいぶ減ると思います。

というのは、経営者のほうも、ワークルールを知れば、メチャクチャ(違法)なことはできないと分かるでしょうし、労働者のほうも、自分の置かれている状態が「おかしい」と判断することさえできれば、たとえ自ら「おかしい」と声をあげられなかったとしても、第三者に相談したり、同じ職場の同僚と力を合わせて使用者に申し入れするなどして、最低限の自分の権利を守れると思うからです。

双方が「最低限、ここはワークルールとして決まってるよね」というところで共通認識を持てるようになれば、労働紛争はかなりの数、減るのではないかと思います。

したがって、ワークルール教育の取り組みは、今後、とても大事になってくると思います。

★ワークルール教育と言えば、濱口桂一郎さんが、前にも紹介した「若者と労働」で、非常に興味深い歴史的事実を紹介されています。

同書(134頁)によると、終戦直後は学校教育に「職業科」というものがあり、当時の文部省検定済教科書を見ると、「労働運動」や「労働保護」といったテーマまでしっかり盛り込まれていたというのです。

また、やはり終戦直後、労働省が設置された際、「労働教育課」という専門の部署が置かれ、戦後しばらくは労働者や使用者に対する労働法制や労使関係に関する教育活動が推進されたのだそうです(同書275頁)。

ところがその後、1950年代末には労働教育課が廃止されて、労働教育は徐々に行政課題からフェードアウトしていったというのです。

濱口さんは、その最大の要因を「見返り型滅私奉公に特徴づけられるメンバーシップ型正社員雇用が確立するにつれて、目先の労働法違反について会社に文句をつけるなどと言う行動は愚かなことだという認識が一般化していったことではないか」と分析されています。

しかし、濱口さんも言うとおり、正社員の「過労死」の急増、特に若い労働者のうつ病の増加・過労自殺の頻発、「ブラック企業」の跋扈などの現状を見れば、今やそのような「見返り型滅私奉公」システムは明らかに破綻しています。

濱口さんは、

「学校教育とりわけ高校や大学における労働教育を強化し、共通の職業基礎教育の一環として明確に位置づけ、十分な時間をとって実施することが必要です。

とりわけ教職課程においては、全員『就職組』である生徒を教える立場になるということを考えれば、憲法と並んで労働法の受講を必須とすべきでしょう。」

と書かれているのですが、まったくもってその通りだと思います。