12/17 「若者の『使い捨て』が疑われる企業等への重点監督の実施状況」

Category - ブラック企業問題 作成者:友弘 克幸

今年9月、厚生労働省が鳴り物入りで実施した

「若者の『使い捨て』が疑われる企業等に対する過重労働重点監督」

の結果が公表されました→こちら

リアル・「ダンダリン」です。

 

重点監督を実施した5,111事業場のうち、実に4,189事業場(全体の82.0%)に何らかの労働基準関係法令違反があり、

1,230事業場(24.1%)に、過労死ライン(1か月の時間外・休日労働時間80時間超)を超える長時間残業が認められたそうです。

「重点監督及び申告監督における指導事例」という資料に、

特にひどかった(のであろう)事例が紹介されていますが、

あ然として言葉も出ないような事例がぞろぞろです。

 

事例2:社員の 7 割に及ぶ係長職以上の者を管理監督者として取り扱い、
割増賃金を支払っていなかった事例

【概要】
監督指導時に確認した事実は以下のとおり。
① 会社は、正社員のうち 7 割程度を占める係長職以上の労働者(半数程度が
20 歳代)を、労働基準法第 41 条第 2 号に基づく管理監督者として取り扱っ
ていたが、監督署が係長職以上の労働者の職務内容、責任と権限、勤務態様、
賃金の処遇等を確認したところ、労働基準法第 41 条第 2 号に定める管理監
督者とは認められなかったこと
② 当該管理監督者とされていた労働者について、労働時間管理が適正に行わ
れておらず、また、時間外労働に係る割増賃金が支払われていなかったこと

おいおい、社員の7割が管理監督者って・・・。

マクドナルド判決(2008年)で「名ばかり管理職」問題は

かなり世間に周知されることとなりましたが、

そのことを知らない世代の従業員(20歳代)が、

今も食い物にされているということでしょうか。

 

 

事例3:営業成績等により、基本給を減額していた事例

【概要】
会社の労働者の平均年齢は、20 歳代後半。
監督指導時に確認した事実は以下のとおり。
商品売上額や在庫管理状況が不良の場合に、基本給を減額する制度(基本
給×マイナス○%とする規定や、マイナス○万円とする規定)を設けており
基本給の一部が支払われていない月が認められたこと
② 会社は、始業・終業時刻を静脈認証により把握し、時間外労働を労働者か
らの残業申請により管理していると説明したが、監督署が調査したところ、
静脈認証と残業申請の記録に乖離が生じており、会社の人事労務責任者もそ
の乖離についての合理的な説明ができなかったこと

「静脈認証」なんて最新の技術を導入しているくせに

賃金は全額払わなければならない」という、超基本的なルール(労基法24条)も

守っていないあたりが、なんだか間抜けです。

 

事例7:賃金が、約 1 年にわたる長期間支払われていなかったことについて指

導したが、是正されない事例

【概要】
20 歳代の元労働者より、約 8 か月間も定期賃金が支払われていないことを
理由に退職し、その後請求するもほとんど支払われないとの申告を受け、監督
指導を実施したところ、以下の事実を確認した。
申告人の申し立てどおり、定期賃金について、約 8 か月間にわたり所定の
支払日に一部しか支払われていなかったこと。指導時においてもその大半に
ついて支払われないままとなっていること
② 申告人以外の労働者・元労働者に対しても、最大約 11 か月間の定期賃金
不払いがあり、現在も賃金の多くが支払われないままやむを得ず働いている
者がいること
新たな採用・募集も行われていた。(現在は行われていない。)

雇用している従業員に賃金を払わないのに、新たな採用・募集を行っていたって、

雇い主は、いったいどういう神経をしてるんでしょうか。

この事例は、「是正の見込みがないため、送検に向けて対応」 中だそうです。

 

うーん、この国では「特区」どころか、全国的に労働基準法は無視されまくっているようです。

やはり、労働基準監督官の大幅増員が絶対に必要ですね。(前も書きました