6/5 ”deaths caused by overwork”

Category - 世界と日本の労働法 作成者:友弘 克幸

今日(6月5日)の読売新聞の「くらし」欄に、

「人権問題を扱う国連の社会権規約委員会は5月、政府に対して、過労死防止の強化や働く女性に対する施策の改善をまとめた総括所見を公表した。
法的拘束力はないが、実施について報告が求められる」

との記事が掲載されていたので、原文を探して読んでみました。

あちこち探して、
国連人権高等弁務官事務所(Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights)の日本のサイトにあることをようやく発見しました。

「総括所見」は concluding observations の訳みたいです。

で、37項目のうち、過労死に関するのは次の第17項でした。

17.The Committee notes with concern that a significant number of workers continue to work for excessively long hours, in spite of the measures taken by the State party to encourage employers to take voluntary actions. The Committee is also concerned that deaths caused by overwork and suicides due to psychological harassment in the workplace continue to occur. (art. 7)

The Committee recommends that, in line with its obligation under article 7 of the Covenant to protect workers’ right to safe and healthy working conditions and to reasonable limitation of working hours, the State party strengthen measures to prevent long working hours and ensure that deterrent sanctions are applied for non-compliance with limits on extensions to working hours. The Committee also recommends that the State party, where necessary, adopt legislation and regulations aimed at prohibiting and preventing all forms of harassment in the workplace.

(仮訳)
当委員会は、相当多数の労働者が過度の長時間労働を続けていることに懸念を表明する。
委員会はまた、過労によって引き起こされる死や職場における心理的な嫌がらせ(ハラスメント) による自殺が後を絶たないことについても、懸念している。

委員会としては、日本政府が、
「この規約の締結国は、全ての者が安全かつ健康的な作業条件と労働時間の合理的な制限を 求める権利を有する」とする国際規約に合致するよう、 長時間労働を抑制する措置を強化するとともに、労働時間の制限についての法律違反に対しては 抑止力のある制裁を適用するよう、勧告するものである。

また、必要に応じて、職場におけるあらゆる形態の嫌がらせ(ハラスメント)を予防し、禁止するための 規制・立法を導入することを勧告する。

産経新聞以外ではあまり大きく報じられなかったようですが、日本での「過労死」「過労自死(自殺)」が 国際的に見てもいかに異常な人権侵害であるか、ということが指摘されたわけです。

私は直接かかわっていませんが、長年にわたって過労死問題に取り組んでこられた遺族の方々や 弁護士の方々が、「過労死防止法」の制定を目指して活動されているそうです。

death caused by overwork などという悲しい言葉は、一日も早くなくなって欲しいと思います。