2/8 有期雇用の特例に関する動き(続報)

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前にも書きましたが(→こちら)、

昨年12月に成立した「国家戦略特別区域法」の附則2条に、

有期雇用の無期転換申込み権(労働契約法18条)に特例を設けようという条文が入っています。

今日は、その続報です。

 

2月3日に開かれた、

「労働政策審議会 職業安定分科会 高年齢者有期雇用特別部会」

の資料が厚労省のサイトにアップデートされています。→こちら

 

有期労働契約の無期転換ルールの特例等について(報告)(骨子案)がこれ

1 無期転換ルールの特例について
(1) 特例の枠組
一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術又は経験を有する有期契約労働者
定年後引き続いて雇用される有期契約労働者
について、それぞれの特性に応じた適切な雇用管理を実施するとともに、無期転換申込権が発生するまでの期間の特例を創設する。

(2) 特例の対象となる労働者の具体的要件
① 「一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識等を有する有期契約労働者」の具体的要件

ア  一定の期間内に完了する業務については、経済のグローバル化の進展等に伴う企業活動を取り巻く環境の変化を踏まえ、企業内の期間限定のプロジェクトの業務のうち、高度な専門的知識等を必要とするものを含むこととする。

イ  年収及び高度の専門的知識等の要件については、1回の労働契約期間の特例の要件として大臣告示に定められている基準を参考に定める(具体的には、法案成立後改めて労働政策審議会において検討の上、厚生労働省令等で定める。)。

なお、国家戦略特別区域法において対象者全てに常時雇用される一般の労働
者と比較して高い年収水準を設定することが求められていることに留意する。

② 定年後引き続いて雇用される有期契約労働者の具体的要件

定年に達した後に、同一の事業主又は当該事業主と一体となって高齢者の雇用
機会を確保する特殊関係事業主(P)に引き続いて雇用される高齢者については、特例の対象とする。

(3) 特例の対象となる事業主の具体的要件
特例の対象労働者が、その能力を有効に発揮するためには、事業主による適切な雇用管理の実施が求められる。このため、厚生労働大臣は、対象労働者に応じた適切な雇用管理の実施に関する基本的な指針を策定することとした上で、当該指針に沿った対応が取られると厚生労働大臣が認定した事業主に雇用された対象労働者については、無期転換ルールの特例の対象となる仕組みとする。

(4) 特例の具体的内容
(2)及び(3)の要件を満たす事業主と労働者との間の労働契約については、労働契約法第 18 条の無期転換申込権発生までの期間について、次のような特例を設ける。

高収入かつ高度の専門的知識等を有する有期契約労働者:プロジェクトの完了までの期間は無期転換申込権が発生しないこととする(発生しない期間の上限は 10年とする。)。

② 定年に達した後に同一事業主又は特殊関係事業主(P)に引き続いて雇用される高齢者:当該事業主に継続して雇用されている期間は、通算契約期間に算入しないこととする。

(5) 労働契約が適切に行われるために必要な具体的措置
有期雇用の特例の運用に当たっては、労使双方に無期転換申込権発生までの期間が明確になるようにすることが求められる。

このため、事業主は、労働契約の締結・更新時に、特例の対象となる労働者に対して無期転換申込権発生までの期間を書面で明示することとする。

また、高度専門労働者に対しては、特例の対象となる業務の具体的な範囲も書面で明示することとする。

 

「1回の労働契約期間の特例の要件として大臣告示に定められている基準」

というのは、労働基準法14条1項1号にある

「専門的な知識、技術又は経験(以下この号において「専門的知識等」という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準」のことですね。

 

労働基準法第14条
 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、5年)を超える期間について締結してはならない。

一  専門的な知識、技術又は経験(以下この号において「専門的知識等」という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約

                                   
労働基準法第14条第1項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成15年10月22日)
労働基準法第14条第1項第1号に規定する専門的知識等であって高度のものは、次の各号のいずれかに該当する者が有する専門的な知識、技術又は経験とする。
一 博士の学位(外国において授与されたこれに該当する学位を含む。)を有する者

二 次に掲げるいずれかの資格を有する者
イ 公認会計士
ロ 医師
ハ歯科医師
ニ 獣医師
ホ 弁護士
ヘ 一級建築士
ト 税理士
チ 薬剤師
リ 社会保険労務士
ヌ 不動産鑑定士
ル 技術士
ヲ 弁理士

三 情報処理の促進に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)第七条に規定する情報処理技術者試験の区分のうちシステムアナリスト試験に合格した者又はアクチュアリーに関する資格試験(保険業法(平成七年法律第百五号)第百二十二条の二第二項の規定により指定された法人が行う保険数理及び年金数理に関する試験をいう。)に合格した者

四 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第二条第二項に規定する特許発明の発明者、意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第二条第二項に規定する登録意匠を創作した者又は種苗法(平成十年法律第八十三号)第二十条第一項に規定する登録品種を育成した者

五 次のいずれかに該当する者であって、労働契約の期間中に支払われることが確実に見込まれる賃金の額を1年当たりの額に換算した額が1075万円を下回らないもの
イ 農林水産業若しくは鉱工業の科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)若しくは機械、電気、土木若しくは建築に関する科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、設計、分析、試験若しくは評価の業務に就こうとする者、情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であってプログラムの設計の基本となるものをいう。ロにおいて同じ。)の分析若しくは設計の業務(ロにおいて「システムエンジニアの業務」という。)に就こうとする者又は衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務に就こうとする者であって、次のいずれかに該当するもの
(1)学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による大学(短期大学を除く。)において就こうとする業務に関する学科を修めて卒業した者(昭和二十八年文部省告示第五号に規定する者であって、就こうとする業務に関する学科を修めた者を含む。)であって、就こうとする業務に五年以上従事した経験を有するもの
(2)学校教育法による短期大学又は高等専門学校において就こうとする業務に関する学科を修めて卒業した者であって、就こうとする業務に六年以上従事した経験を有するもの
(3)学校教育法による高等学校において就こうとする業務に関する学科を修めて卒業した者であって、就こうとする業務に七年以上従事した経験を有するもの
ロ 事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務に就こうとする者であって、システムエンジニアの業務に五年以上従事した経験を有するもの

六 国、地方公共団体、民法(明治二十九年法律第八十九号)第34条の規定により設立された法人その他これらに準ずるものによりその有する知識、技術又は経験が優れたものであると認定されている者(前各号に掲げる者に準ずる者として厚生労働省労働基準局長が認める者に限る。)

次回の部会(2月14日)でこの報告書案が了承されるかもしれません。
★補足(2/14)→了承されたようです。こちら