8/13 「ダンダリン」

Category - 最近のニュースから 作成者:友弘 克幸

★7月9日のブログ「労働基準監督官のお仕事」で、

労働基準監督官を主人公にした「ダンダリン101」という漫画を紹介しましたが、

それが10月にドラマ化されるそうです(日本テレビ)。

弁護士が主役のドラマを見ていて、「実態と違うな」と感じることがときどきありますが、さて、こちらはどうでしょうか。

★せっかくなので、厚生労働省の資料(平成22年7月1日実施「厚生労働省省内事業仕分け」資料)と、労働基準監督署職員などで作る労働組合(全労働省労働組合)の資料(2011年11月、「労働行政の現状」)から、労働基準監督官の仕事ぶりを見てみましょう。

まず、労働基準監督官の数は全国で2941人(平成22年度)。

このうち、実際に事業場に赴いて臨検監督を行う監督官は、管理職を除くため2000名以下。

これに対して、1人でも労働者を使用する事業場は、全国で約409万事業場あるそうです(平成18年「事業所・企業統計調査」より)。

1年間に監督できる事業場の数は15~17万件(平成17年度~22年度実績)なので、単純計算すると、全ての事業場を監督するためには約25~30年も必要となる計算です。

監督官1人あたりの担当事業場は、なんと1600件以上!にもなります。

また、労働者数との関係を見ると、雇用者1万人当たりの労働基準監督官の数は、わずか0.53人です。

法制度が異なるため単純な比較はできないでしょうが、ドイツ(1.89人)、イギリス(0.93人)、フランス(0.74人)、スウェーデン(0.64人)と比較しても、少ないことが分かります。(ちなみにアメリカは0.28人だそうです)

★なお、労働基準監督官が対応できるのは通常、「労働基準法」、「労働安全衛生法」や「最低賃金法」違反などに限られています。

「不当解雇」や「パワハラ(パワーハラスメント)」「退職強要(追い出し部屋など)」などの「労働契約法違反」や「労働契約上の不法行為」の問題については、労働基準監督官の権限外となってしまうのです。

つまり、「労働基準監督署に相談すれば全てが解決するというわけでは決してない」ことにも、注意が必要です。

いずれにせよ、ドラマの放映をきっかけに、労働法(ワークルール)全般や労働者の権利についての社会的関心が高まることを期待したいところです。

★「ダンダリン」第1話について → こちら

★「ダンダリン」第2話について → こちら