8/16 ブラック企業大賞2013の発表について

Category - ブラック企業問題, 最近のニュースから 作成者:友弘 克幸

8月11日、「ブラック企業大賞2013」が発表されましたね。

【大賞】のワタミフードサービス株式会社はまあ予想通りといったところでしょうか。

ワタミについては前のブログでも書きましたので、そちらをご参照ください。

【業界賞】のクロスカンパニー株式会社は、「女性が働きやすい職場」としてたびたびマスメディアにも取り上げられていました。

その好感度をブランド戦略(宮崎あおいさんのCMでおなじみの Earth, Music & Ecology)にも生かしていたわけですから、「看板と実態とのギャップ」に、多くの人が反発を感じたということかなと思います。

個人的には、【特別賞】の 国立大学法人東北大学 が目を引きました。

東北大学大学院の准教授(当時48歳)が過労自殺したというのが「受賞」理由なのですが、これは「大学」という職場であればどこでも似たようなことが起こっているのではないか、と思わされるからです。

今朝(8/16)の朝日新聞「記者有論」で沢路毅彦編集委員がこのケースについて書いておられましたが、それによると、亡くなった准教授は、「(専門業務型)裁量労働制」の適用を受けて働いておられたということです。

専門業務型裁量労働制については別のブログでも説明しましたが、要するに研究者は専門職なので「1日8時間、週40時間」という厳格な労働時間管理になじまない、という考えのもと、通常の労働時間規制から外すことができるという仕組みです。

准教授は、この制度のもとで、月100時間前後にも及ぶ時間外労働に従事し、うつ病を発症して自殺してしまったというのです。

大学の研究者などは、民間企業の労働者と比べても、どうしても「成果」を求められる度合いが強い一方で、「上司」にあたる教授からの評価で将来が左右されることも多いと聞きます。

そうすると、どうしても、指導教授に多少無理なことを命じられても、「いやだ」とは言えず、限界を超えるまでやってしまう、ということに陥りがちなのではないでしょうか。

しかも、研究者は自分の労働環境に疑問を持ったとしても、自分の将来を考えると、たとえば労働組合に入って改善を求めたりすることもなかなかしづらいのではないでしょうか。

要するに、東北大学の事件は、研究職労働者を取り巻く「過労死・過労自殺の構造的要因」を象徴する事件なのではないかと思うのです。

★8/26補足

8月26日の読売新聞に、クロスカンパニーの石川康晴社長(42)のインタビューが出ています。

過労死事件やブラック企業大賞の「受賞」については言及がありませんね。

代わりに、彼が内閣府の「男女共同参画推進連絡会議」の議員を務めていることだけが紹介されています。

「有識者」議員の経営する会社で、入社1年目の女性社員が「自爆営業」と「長時間労働」の末に過労死している国。

・・・なんだかなあ。