8/23 「マンガでわかるブラック企業 人を使い捨てる会社に壊されないために」

Category - ブラック企業問題, 書評 作成者:友弘 克幸

ブラック企業大賞実行委員会・編「マンガでわかるブラック企業 人を使い捨てる会社に壊されないために」(合同出版、1300円+税)を読みました。

8月15日に出版されたばかりの本です。

「ブラック企業」が使う「典型的な手口」を、次のように大きく4つ(細かくは24つ)に分類して、それぞれについて、実際の事案をもとにした4コマ漫画とともに、その手口の特徴と企業側の思惑、背景などについて分かりやすく説明しています。

(1)酷使:サービス残業、スパルタ研修、「やりがい搾取」など

(2)辞めさせる:自主退職の強要、内定辞退の強要など

(3)精神圧迫: カルト的社風、パワハラ、従業員監視、異常社則など

(4)金銭搾取: 損失押しつけ、罰金、「自爆営業」、ボランティア強制など

もちろん、それぞれについて、当てはまる具体的な企業名も紹介されていて、

「え?この有名大企業がこんなブラックなことをやってるの?」

という話がぞろぞろ出てきます。

★前に紹介した「就活前に読む 会社の現実とワークルール」は、「過労死・過労自殺」事案の紹介の割合が高かったのに対して、こちらは上記に紹介したもののほか、「セクハラ」、「労組敵視」、「偽装請負」、「賃金格差」など、幅広く「ブラック企業」の手口を紹介しています。

また、それぞれの「ブラック」類型の紹介とともに、労働基準法や労働判例に照らして本来はどうでなければならないのか、また現実にそのような「ブラック」に出会った時にはどう対処すればよいのか、といったこともコンパクトに説明されています。

したがって、それこそ就職活動前の学生さんや、就職後

「うちの会社ってひょっとしてブラック企業かも?」

と思った方にはぜひお勧めしたい一冊です。

★それにしても、こうやって網羅的に紹介されたものをまとめて読むと、まあひどい有様ですね。

新人研修で穴掘り競争をさせて、負けた新入社員には食事も入浴もさせず、「洗脳」によって会社の不合理な指示にも疑問を持たない社員に仕立て上げる(IT企業)

企業のイメージアップのために、休日に無給で「社会奉仕(ボランティア)活動」をさせる(東証1部上場の外食産業企業)

顧客とのトラブルで会社に生じた損害約360万円について、入社数年目の従業員に補てんを強要し、最後は自殺に追い込む(東証1部上場のマンション運営大手企業)

・・・などなど。すべて実例です。