8/6 「法律事務所」と「法務事務所」の違い

Category - へぇ〜な話 作成者:友弘 克幸

当事務所の名称は、「西宮原法律事務所」 と言います。

ところで、街中の広告やテレビCMなどで、「○○法務事務所」という名前を耳にすることがありますが、「法律事務所」と「法務事務所」は何が違うのでしょうか。

ときどき質問されることがあるので、ここでまとめてご紹介しておきたいと思います。

法律事務所 とは?

実は、弁護士の事務所については、「法律事務所」と名前を付けることが弁護士法20条第1項で義務付けられています。

 

弁護士法20条(法律事務所)

第1項 弁護士の事務所は、法律事務所と称する。

 

そして、弁護士法74条では、弁護士でない者は、「法律事務所」と名乗ってはいけないことになっています。

 

弁護士法74条(非弁護士の虚偽標示等の禁止)

1項 弁護士又は弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。

 

弁護士資格がないのに「法律事務所」と名乗ることは犯罪であり、罰則も定められています。

 

弁護士法77条の2(虚偽標示等の罪)

第74条の規定に違反した者は、100万円以下の罰金に処する。

 

ちなみに、「弁護士事務所」という言葉を耳にすることもありますが、上記の通り、

弁護士の事務所の名称は「○○法律事務所」もしくは「法律事務所○○」としなければなりませんので、法律事務所の正式な名称として「○○弁護士事務所」と付けられる例はありません。

(ただし、弁護士法人の場合には、その名称中に「弁護士法人」という文字を使用すればよく、そもそも「法律事務所」という名称を付けなくても構わないことになっているので(弁護士法30条の2)、「弁護士法人○○弁護士事務所」などの名称でも差し支えないことになります。)

 

法務事務所 とは?

いっぽう、「法務事務所」という用語は、一部の司法書士さんが使っているようですが、

これは法律で求められているものではありません。

日本司法書士会連合会のホームページでは、次のように記載されています。

「法務」は「法律」と類似しており、弁護士事務所と誤認されやすいと考えられることから、名称中に「司法書士」の文言を含めることにより認めることとする。

(「司法書士事務所の名称について」より)

 

★なお、弁護士の「法律事務所」と司法書士の「法務事務所」とでは、単に名称の違いだけではなく、そもそも取り扱うことのできる業務の範囲が全く違います。

司法書士はもともと、商業登記(会社設立、役員変更など)や不動産登記(売買、相続による名義移転など)の専門家です。

一定の試験を受けて法務大臣の認定を受ければ、簡易裁判所での訴訟代理など、一部の民事紛争について例外的に業務に関与することが認められるようになりましたが、取り扱える業務範囲はかなり限られています(法務省ホームページ)。

いっぽう、弁護士の場合は、法律の専門家として、次のように、さまざまな法律事務を行うことが認められています。

弁護士法第3条(弁護士の職務)

弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立て事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。

弁護士法3条の文言からは少し分かりづらいですが、家庭裁判所での調停や審判(離婚・相続)に出席したり、裁判所を利用しないで相手方と交渉する(金額の多い少ないにかかわらず)、といった業務についても、何ら制限なく行うことができます。