ハインリッヒの法則

Category - ブラック企業問題, 書評 作成者:友弘 克幸

ブラック企業大賞実行委員会 編著「ブラック語録大全」(合同出版)を読みました。

「365日24時間死ぬまで働け」 「過労死は自己管理の問題」

「休みたいならやめればいい」 「泳げない人は沈めばいい」 などなど、

読んでいて暗澹たる気持ちになること請け合いの「名言」のオンパレードです。

★ところで、渡邉美樹氏の選挙戦で応援演説をした北村晴男弁護士の

「細かいところまで行き届かなくて、不幸な事故が起こることはたしかにあります」

という発言を読んで、「ハインリッヒの法則」を思い出しました。

★北村弁護士の発言にいう「不幸な事故」というのは、ワタミで2010年6月に入社2か月の女性社員が過労自殺した出来事を指しているのですが、それは本当に「細かいところ」で起こった「不幸な事故」と片付けてしまってよいのか、という問題です。

ハインリッヒの法則というのは、

一つの重大な事故の裏には29の軽微な事故があり、さらにその裏には300の「ヒヤリハット」(ヒヤリとしたり、ハッとする危険な状態)がある

という有名な経験則のことです。

俗に、「ヒヤリハットの法則」と呼ばれることもあります。

何が言いたいかというと、1つの過労自殺事件は、「1人の特殊な労働者が、たまたま過労自殺した」ということを示すのではなく、その背景に、それなりの数の「過労自殺予備軍」が存在していることを意味するのではないか、ということです。

もちろん、私は部外者ですから、会社の内情は分かりません。

ひょっとすると、2010年6月の過労自殺は「たまたま」起こった「不幸な事故」だったのかもしれません。

ただ、「ハインリッヒの法則」が、労働災害を防止するうえで必ず念頭に置くべきものとして一般に受け入れられている考え方であることは、指摘しておきたいと思います。