9/20 民間人校長のセクハラと懲戒処分

Category - 最近のニュースから 作成者:友弘 克幸

大阪市の民間人出身校長のセクハラが話題になっていますね。

市教委は10日、校長を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分にしたそうです(報道)。

この処分は軽すぎるのではないか、と橋下市長に食い下がったABCの記者さん、なかなかよく頑張ったなと思います(9月12日の記者会見でのやりとりはこちら)。

ただ、議論の前提として押さえておくべき点があまりきちんと報道されていないように思いますので、今回はそのことを書きたいと思います。

 

実は、大阪市では、2006年(平成18年)に「懲戒処分に関する指針」を定めています。

大阪市教育委員会では、それをふまえて、教職員の懲戒処分の基準を定めた「懲戒処分に関する指針(学校園)」というものを定めています。

なお、教職員について特別の指針を策定する理由として、指針では「教育公務員の職務は、教育活動を通じて、成長過程にある児童・生徒への影響が非常に大きなものであることや、児童・生徒及び保護者との信頼関係が重要であることから、公務員のなかでも一段と高いモラルが求められている」と説明されています。

さて、これを見ますと、教職員の「セクハラ」については、次のような規定になっています。

(15) セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及
び他の教職員を不快にさせる職場外における性的な言動)
ア  暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした教職員は、免職又は停職とする。
イ  相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した教職員は、停職又は減給とする。この場合において、わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したとき
は、当該教職員は免職又は停職とする。
ウ  相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った教職員は、減給又は戒告とする。
エ  児童・生徒等に対するセクシュアル・ハラスメントにより、児童・生徒へ不安
や不快感等を与え、学習意欲の低下等、教育環境へ影響を与えた教職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において、本市の教育に対する重大な信用失墜行為となる場合については、免職とする。

今回の事案は、保護者の母親に不適切なメールを送ったり、身体を触ったりしたほか、地域の行事で10代の少女に性生活を尋ねるような発言をしていた、ということですから、「イ」に該当するということなのでしょう。

ただ、「エ」の「児童・生徒等」の「等」の中に保護者が含まれるという解釈をとれば(指針では、「児童・生徒」と「児童・生徒等」を意識的に使い分けているように見えます)、「大阪市の教育に対する重大な信用失墜行為」として、免職とする余地もあった、という考え方も成り立ちうるように思います。

結局、今回の処分が決められるにあたっては、停職か減給かという綱引きがあって、最終的に「減給10分の1(6か月)」となったということらしいですが、さて、これが妥当かどうか、皆さんはどう思われるでしょうか。