9/21 「解雇特区」政府が検討

Category - 最近のニュースから 作成者:友弘 克幸

9月21日の朝日新聞で、政府が、「企業が従業員を解雇しやすい特区を作る検討に入った」と報道されました。

「特区」内にある開業5年以内の事業所や、外国人労働者が3割以上いる事業所を対象に、

①入社時に契約した解雇条件にあえば、どんな解雇でも認められる、

②労働時間規制を廃止し、休日や深夜労働も含めて、割増賃金も支払わないことを認める、

③5年以上の有期労働契約から無期契約への転換を認める労働契約法18条の適用を除外する、

という内容にしたいそうです。(資料こちら

①については、解雇ルールの緩和、というより「廃止」ですね。

現行の労働契約法16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定めています。

これは、長い時間をかけて、裁判所が確立した「解雇権濫用法理」を明文化したものですが、「特区」ではこのルールを廃止してしまおうというわけです。

このルールが廃止されれば、たとえば、「たとえ1回だけ、1分でも遅刻すれば、解雇とする」というような契約書になっていれば、労働者は解雇されても文句は言えません。

使用者の意に沿わない行動をした労働者・・・たとえば、労働基準法の定める権利(有給休暇など)を要求しようものなら、些細なことをとらえられて、即座に解雇を言い渡されるでしょうね。

ましてや、産休や育児・介護休暇など口に出すことすらできなくなるでしょう。

パワハラ、セクハラ、マタハラ(マタニティ・ハラスメント)も横行するでしょう。

 

それに、「外国人労働者が3割以上の事業所」について特例を設けるというのは一体どういう根拠なのか、まったく理解できません。

日本の労働法は、労働者の国籍いかんにかかわらず、適用されます。

労働基準法3条は、労働者を国籍によって差別することを禁止しています。

労働者の国籍いかんによって労働法の適用関係を変えるなどというのは、どう考えてもおかしいです。

 

「いやならそういう会社に入らなければよいではないか」との意見もあるかもしれませんが、それは違います。

「仕事がほしい労働者」の数が「仕事の数」よりも大きければ(=要するに買い手市場ということ)、「本意でないけど、無職よりましだからそういう職場でもやむなく働こう」ということになってしまいます。

だって、よほどのお金持ちの子どもでない限り、働かないと食べていけないわけですから。

しかも、前にも書きましたが、安倍政権は「特区」として東京・大阪・名古屋の3大都市圏を指定し、「特区内に本社を置いている企業」には、このような「特例」を認めようとしているのです。

だから、今回の話は、決して、ごく一握りの職場の例外的なお話ではないのです。

このブログを読んでくださっている「あなた」や、「あなたの家族」にも関係のある問題なのです。

★補足(9/22)

上の①、解雇ルールの緩和(廃止)が法理論的にもいかにメチャクチャなものか、

ということを濱口桂一郎さんがブログで分かりやすく書かれていました。

「法の存立構造を根本からわかっていない経済学者の発想の欠点がもろに露呈している」と書かれていますが、本当にその通りだと思います。