9/29 トラック運転手の労働条件

Category - ワークルールについて 作成者:友弘 克幸

今日は、とある労働組合の学習会にお招きいただいて、

「トラック労働者をめぐる法律上の諸問題」という演題で講演をしてきました。

講演の準備をしていて改めて思いましたが、トラック運転手って、本当に労働時間が長いんですね。

個別の相談などでは、長距離トラックの運転手さんが「家に何日も帰れない」と話すのを聞いていましたが、データの上でもそれは裏付けられています。

公益社団法人全日本トラック協会の「平成22年版・トラック輸送産業の現状と課題」という資料(45頁)によると、トラック運送事業従業員の月間労働時間は所定内170.9時間、所定外46.5時間、合計217.4時間(平成22年)にも上ったそうです。

同じ時期の全産業平均での従業員1人あたりの総実労働時間(1か月平均)は、所定内137.4時間、所定外9.8時間、合計147.2時間だったそうですので(厚生労働省の統計)、トラック運転手の労働時間がいかに長いかということが分かります。

当然のことながら、「過労死」など、脳・心臓疾患による労災認定でも、「自動車運転従事者」の認定数が最多です(平成24年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ)。

ところで、労働基準法36条の労使協定で定める時間外労働について、厚生労働大臣が「時間外労働の限度に関する基準」(限度基準)というものを定めているのですが、トラックやバス、タクシーなど自動車運転の労働者については、この「限度基準」は適用の対象外とされています。

代わりに、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準)というものが定められていて、自動車運転手の「拘束時間」や「運転時間」に関する基準が定められているのですが、そのタイトルが「改善」基準となっているのが、象徴的だなあと思います。

スーパーに行けば、遠い場所で取れた魚や野菜が売られているし、通販で注文した本は遅くても翌日には手元に届くし、宅配便は2時間刻みの時間指定や再配達依頼がカンタンにできて当たり前。

私たちの「便利」で「快適」な生活の背後ろには、トラック運転手たちのの過酷な労働があるのです。