5/31 「君たちが働き始める前に知っておいてほしいこと」
2013.5.31
Category - 書評
最近、学生さん向けの「ワークルール」本を読みあさっているのですが、今のところ、私の一番のお勧めがこの本です。
大内伸哉著 「改訂 君たちが働き始める前に知っておいてほしいこと」
(労働調査会出版局、平成23年8月、800円+税)
著者は神戸大学教授として長年、労働法を研究・教育されてこられた専門家ですが、この本はタイトルが示すように、これから就職してゆく学生さん向けに書かれた本です。
類書は他にもありますが、この本は群を抜いて徹底的に分かりやすく、親しみやすいです。
まず、イラストが可愛く、かつ、内容を具体的にイメージさせてくれます。
「育児介護休業法」の解説の箇所で
若いカップルが一緒にベビーカーを押すイラスト(67頁)
とか、労働者の団結権を説明するのに
いろいろな業種の人が手を取り合って輪になっているイラスト(87頁)
なんて、もう最高です。(ここでお見せできないのが残念ですが。)
そして、なんといっても、解説の文章が親しみやすくて、とてもいい感じです。
たとえば冒頭の文章がこうです。
「私たちはみんな、働いて生きていかなければならないんだけれど、働くことは決して楽なことじゃない。辛いときもある。労働法は、そんなときに、私たちを守ってくれる武器となるんだ。だから、しっかり勉強しておこう。」
どうでしょう?
「よーし、勉強しよう!」
という感じになりませんか?
こういう本を日本の中学生、高校生全員に配布すれば、きっと社会に出てから役に立つと思うんですけどね。