10/25 神奈川県の「ブラック企業」対策
神奈川県が、「いわゆる『ブラック企業』の対策を実施します!」と発表したそうです。
多くの若者を採用し、過酷な労働条件で働かせたうえ、その大半を退職に追い込むといった、若者の「使い捨て」が疑われる企業、いわゆる「ブラック企業」が今、社会的に大きな問題となっています。
入社後に、その過酷な労働条件から、うつ病等を発症し、職場から長期離脱するケースも少なくありません。また、最悪の場合は過労死、自殺に至るケースもあります。
こうした企業は、労働基準法等の違反という法的な問題があるだけでなく、多くの若者の将来を脅かす、見過ごすことができない存在です。
県では、一人でも多くの若者が、将来に希望を持ち、安心して働けるよう啓発に取り組みます。
とのこと。
今野晴貴氏(NPO法人POSSE代表)を呼んで就活生、若年労働者向けにセミナーを実施するというのも注目ですが、
びっくりしたのは、ホームページで公表されている「リーフレット」です。
「過酷な働き方をさせられていませんか?」というタイトルで、
「長時間・過重労働」
「賃金不払残業」(「サービス残業」という言葉を使っていないのも良い感じです)
「パワハラ」
「合意のない労働条件」
の4種類について、具体的な例を挙げて紹介し、「おかしいと思ったらこうしましょう」と対策を具体的にアドバイスしています。
「パワハラで困っていたら上司の発言を録音またはメモしましょう」とか、不払い残業への対応策として
「手帳、日記のメモは手書きの方が信用性が増す場合があります」
「出退勤時刻に会社のパソコンから自分のパソコンにメールを送るという方法もある」
とまで書いてくれています。(なんという適切なアドバイス!)
労働問題について相当の知識と経験を持つアドバイザー(ひょっとして今野さん?)の助言を得てまとめたのだろう、ということが一目で分かるような内容で、良い意味で「行政らしくない」リーフレットになっています。
この取り組みを担当されている神奈川県産業労働局労働部労政福祉課の皆さんは、きっと、相当の情熱を持って準備をされたのでしょう。敬意を表したいと思います。
地方自治体でも、こういう取り組みを積極的に進めるところが出て来たというのは、とても喜ばしいことですね。