搭乗者傷害保険のメリットと賠償金の関係は?
搭乗者傷害保険
搭乗者傷害保険とは、契約自動車に乗っている人が怪我をしたり、死亡した場合に一定額が支払われる保険です。
交通事故で治療を受けていると、自身の加入する保険会社から「搭乗者傷害保険金を請求できますよ」と案内が来ることがあります。
また、後遺障害が認定されるとことにより支払われるお金もあるので、「自賠責で後遺障害が認定されたら教えて下さい」とも言われます。
搭乗者傷害保険金が支払われる場合は?
搭乗者傷害保険金は、①被保険自動車の運行に起因する事故、②被保険自動車の運行中の、飛来中もしくは落下中の他物との衝突、火災、爆発または被保険自動車の落下で怪我をしたときに支払われるとされています。
判断が難しいケースもありますが、ごく普通に自動車を運転していて事故に遭って怪我したなら、支払の条件を満たすと考えられます。
保険金の金額は?
死亡保険金、後遺障害保険金など、あらかじめ定められた金額が支払われます。
一定額として支払われるので、被保険者の年齢、収入等は影響しません。
また、怪我をしたことによる支払いも、「部位・症状別払」というもので、怪我をした部位と症状によって決められた金額が支払われます(治療日数が5日以上になったときに支払われます)。
搭乗者傷害保険と損害賠償金の関係は?
搭乗者傷害保険金が支払われたときに、その分だけ加害者から支払われる損害賠償金は減らされてしまうのでしょうか?
まず、搭乗者傷害保険金が支払われても、保険会社は損害賠償請求権に代位することはできません(加害者に請求することはできません)。
そのため、このことを理由に損害賠償金が減らされることはありません。
慰謝料を算定するときに搭乗者傷害保険金を考慮できるかという問題がありますが、加害者が保険料を支払っているときに限り考慮できるという考え方が多数です。
そのため、被害者が搭乗者傷害保険の保険料を支払っているときは、保険金の支払いを受けたことで慰謝料が減らされることはないという結論になります。
搭乗者傷害保険のメリットは?
搭乗者傷害保険については、人身傷害保険と重なるものなので不要という考え方もあります。
しかし、あらかじめ決められた一定額がスピーディーに支払われるという点で、人身傷害保険にはないメリットもありますので、意味のある保険であるといえます。