交通事故の治療費を保険会社に払ってもらう方法は?

交通事故の治療費と保険会社

交通事故に遭い怪我をしたときには、加害者が保険に入っていても「治療費はどうやって支払われるのだろう?」と不安に感じてしまいます。

交通事故で治療費が支払われる流れ、健康保険を使う方法などを解説し、治療費についての疑問を解決します。

交通事故・自転車事故と弁護士に無料相談
お電話で無料相談
LINEで無料相談

保険会社の直接払い

保険会社が病院に直接払いをする流れ

加害者が自動車保険に加入していれば、通常はすぐに保険会社の担当者から連絡があります。

担当者からの連絡が遅いようであれば、加害者から連絡先を聞いて、こちらから電話をしてもよいでしょう。

保険会社の担当に通院先(入院先)の病院を伝えれば、病院窓口で治療費の支払いをしなくて済むよう連絡してくれます

また、担当者と連絡がつかない状態で病院に行く場合には、一旦治療費を立て替え払いして、あとから保険会社に請求することになります。

病院に自転車事故で怪我をして保険会社の連絡待ちであることを伝えると、治療費を一旦保留にしてくれることもあります。

病院

直接払いに必要な書類

保険会社から治療費が支払われるようになると、保険会社から「同意書」を提出するよう求められます。

保険会社は、病院に「診断書」「診療報酬明細書」を発行してもらい、治療内容や治療費を確認した上で支払いを行います。

これは被害者が不利益を受けるような書類ではありませんので、保険会社に速やかに同意書を提出しましょう

また、転院したり、検査を受けるために別の病院を受診したりするときには、早めに保険会社に連絡するようにしましょう。

保険会社の担当者は病院へ連絡をいれ、新しい病院についても同意書が送られてくることになります。

なお、転院するときには、通院中の病院で紹介状を書いてもらった方が、新しい病院でスムーズに治療を受けることができます(紹介状がないと受け付けてもらえないこともあります)。

被害者の立替え払い

被害者が立替払いをする場合

交通事故の治療費でも、被害者が立替払いをしないといけないことがあります。

まず、被害者の過失が重いとして、保険会社が治療費の対応を拒否する場合です。

このような場合は、被害者が治療費の支払いを行い、治療終了後に支払いを求める必要があります。

また、病院によっては「健康保険を使うときには、保険会社から病院への直接払いを認めない」というところもあります。

病院が健保一括対応をしてくれないという状況です。

保険会社にはどうすることもできない事情なので、被害者が立て替え払いをして保険会社に請求するしかありません。

立替払いの後の流れ

被害者が治療費を立て替え払いした後、ひと月分程度をまとめて保険会社に請求することになります。

保険会社に領収書を提出して支払いを求めます。

保険会社は特に問題がなければ速やかに支払いを行います。

保険会社から最初に送られてくる一式書類のなかに、振込先口座を指定するための用紙がありますので、これで振込先を指定しておきましょう。

領収書が手もとにないときも、保険会社が病院に診断書、診療報酬明細書を作成してもらうはずなので、この資料によって金額を確認することができます。

人身傷害保険の利用

保険会社が治療費の支払いを拒否するときや、加害者が無保険のときは、ご自身の自動車保険に人身傷害特約がついていないか確認しましょう。

これは、被害者の怪我について、被害者の自動車保険から保険金が支払われる特約です。

治療終了後に保険金が支払われるだけでなく、治療中から治療費を支払ってもらうこともできます。

健康保険の利用

交通事故による怪我でも健康保険を利用して治療を受けることができます。

健康保険の利用についてですが、「被害者の過失が大きいとき」「被害者が治療費の立て替えをするとき」には健康保険を積極的に利用すべきといえます。

参考:日本損害保険協会

被害者の過失が大きいとき

被害者にも過失がある事故では、その過失の分だけ治療費を自己負担しないといけなくなります。

治療のときに健康保険を利用すれば、自己負担する治療費を減らすことができるのです。

過失割合が50%対50%の事故の場合、健康保険を利用すれば治療費の3割の50%の自己負担で済むということです。

健康保険組合は保険会社に求償を行うため、保険会社が治療費を支払わずに済んで得をするというわけではありません。

被害者が治療費の立て替えをするとき

被害者が一旦治療費を立て替えて支払わなくてはならない場合、健康保険を利用せずに立て替え払いを行っていくのは大変なので、健康保険を利用して3割負担で支払っていきましょう。

健康保険を使用する方法

交通事故で健康保険を使用するときは、「第三者行為災害の届出」を行う必要があります。

特に難しい手続ではありませんので、忘れずに行うようにしましょう。

病院で健康保険の使用について「第三者行為の届出をしないと使えません」と説明を受けることがありますが、これは健康保険の使用を拒否されているわけではなく、届出をするよう促されているだけのことです。

健康保険

労災保険の利用

交通事故が仕事中や通勤中であれば、労災保険で治療を受けるようにしましょう。

労災保険では、治療費だけではなく、休業損害、後遺障害などについて支払いを受けられる可能性があり、交通事故で労災保険を使わない理由がありません

また、労災保険が使用できる場合、健康保険を使用することはできませんので注意が必要です。

会社に遠慮をして労災を使わず健康保険を使うというのは許されないことなのです。

交通事故と労災保険については「通勤中に交通事故に遭ったら労災保険を利用すべき?」で解説しています。

まとめ

交通事故の治療費については、まずは保険会社に病院へ直接支払うよう求めましょう。

保険会社から病院へ連絡があり、治療費を直接支払ってもらえるようになります。