自転車事故の被害者が警察ですることは?

自転車事故と警察

自転車事故に遭ったときに、被害者は警察でどのようなことをするのでしょうか?

自転車事故に遭われたときは警察に報告する必要があります。

被害者であっても、警察に報告することにより交通事故証明書を発行してもらえるようになり、事故の発生を証明できるようになります。

人身事故への切替え、告訴実況見分事情聴取など、自転車事故を警察に報告してからの流れについて詳しく解説していきます。

事故後に警察ですること

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警察への報告

警察へ報告する義務

自転車事故も自動車の事故と同様に警察へ届出する必要があります。

Q5 自転車で歩道を走行中に歩行者と接触し、歩行者が軽いケガをしましたが、交通事故の届出は必要ですか。
A5
自転車での交通事故であっても、警察への届出が必要です。

引用:大阪府警Q&A

事故現場で警察に電話をするのが確実ですが、事故現場から離れてしまっても速やかに警察に連絡するようにしましょう。

また、頭を打っているときや、痛みが強い場合などは、自転車事故であっても躊躇せず119番通報も行いましょう。

自転車事故であっても、自動車事故と同じ交通事故なので、何も遠慮をする必要はないのです。

警察に報告する内容は、①自転車事故の発生した日時、場所、②自転車事故による死傷者の数、負傷者の負傷の程度、③損壊した物、損壊の程度、④事故車の積載物、⑤自転車事故について講じた措置とされていますが、警察に聞かれるとおり報告しておけば間違いありません

自転車事故専門サイト

警察へ報告するとどうなる?

自転車事故でも警察へ報告すると交通事故証明書を発行してもらえるようになります。

自動車安全運転センターのホームページから、インターネットで申請して請求することできます。

交通事故証明書によって自転車事故の発生を証明することができます。

また、交通事故証明書には加害者の連絡先も載っていますので、加害者から連絡先を聞けていないときにも役立ちます。

参考ページ:自転車事故でも交通事故証明書は発行されるの?

人身事故の届出

人身事故とは?

自転車事故で怪我をしたときには、警察から人身事故にするか確認されます。

人身事故というのは被害者が怪我をした事故のことをいいます。

怪我をしていれば人身事故になるのが当たり前だと思われるかもしれませんが、警察に診断書を提出しなければ人身事故にはなりません

人身事故にするのであれば、速やかに病院で診断書を発行してもらい警察に提出しましょう。

人身事故にするメリットは?

警察に診断書を提出して人身事故にすることにメリットはあるのでしょうか。

人身事故にすることにより、警察が事情聴取、実況見分といった捜査をしてくれるようになり、刑事記録を入手できるようになるというメリットがあります

自転車事故では、双方の言い分が異なり事故状況が争いとなり、それにより過失割合についても争いになるということが少なくありません。

そうしたときに刑事記録があると事故状況について加害者の主張に反論しやすくなるのです。

加害者の刑事処分によって、入手できる記録には以下の違いがあります。

  1. 不起訴処分:実況見分調書
  2. 略式起訴:実況見分調書、供述調書
  3. 少年事件:実況見分調書。供述調書

警察から人身事故にしないよう促されることも少なくないようですが、やはり怪我をしたときは人身事故にすべきなのです

参考ページ:自転車事故での物損事故と人身事故の違いは?

診断書の提出を取り消して物損事故に戻すことはできる?

警察に診断書を提出して人身事故にした後に、診断書を返してもらい物損事故にすることは可能なのでしょうか。

加害者との間で示談が成立し、あえて人身事故にする必要がなくなったとしても、物損事故に戻すということは認められていません。

検察では人身事故として扱ったまま、示談が成立したということを考慮要素にして、刑事処分が決められることになります。

そのため、「物損事故に変更してあげるから」という説明をして示談をすると、大きなトラブルになる可能性があります。

加害者の告訴

自転車事故における告訴とは?

自転車事故で相手を怪我させたときは、加害者には重過失傷害罪過失傷害罪が成立することになります。

過失の重さによって成立する犯罪が異なるのですが、警察では重過失傷害罪として扱われていても、検察では過失傷害罪として扱われるというケースも少なくありません。

過失傷害罪は、被害者が告訴をしなければ起訴できないという親告罪であるため、自転車事故において加害者を告訴するかが問題になるのです。

告訴する方法は?

警察に告訴することを伝えれば、警察で告訴調書というものを作成してもらえます。

告訴する意思と、告訴をすることにした理由が簡単に記載されます。

特に難しい手続ではありませんが、改めて警察に行かなければいけないという手間はありますので、告訴するのであれば事情聴取のときにしてしまった方がよいでしょう。

加害者を告訴した方がいい?

加害者を告訴することによる金銭的なメリットは考えにくいため、加害者に対して「許せない」という気持ちが強ければ告訴するという判断基準で構いません。

ただし、告訴をしても加害者が必ず起訴されるわけではないこと、告訴には6か月以内という期間制限があることには注意が必要です。

どうしても迷うようなら告訴をするという判断でよいと思います。

参考ページ:自転車事故で加害者を告訴すべき?

事故現場での実況見分

実況見分とは?

自転車事故が人身事故になると、事故現場で実況見分が行われます。

これは、事故現場で相手を発見した地点、ブレーキをかけた地点、衝突した地点などについて説明をするという手続です。

警察は、立ち会った人の説明に基づいて、実況見分調書を作成していきます。

実況見分は、被害者と加害者が別々に行われることもありますし、一緒に行われることもあります。

被害者と加害者の実況見分を同時に行うときは、自転車の傷を突き合わせて事故状況を確認することもあります。

実況見分

実況見分で気をつけることは?

実況見分のときには記憶とおり説明するということが重要です。

警察から「相手の説明と違う」「道路の状況からみて不自然」などと誘導されても、自身の記憶のとおりに説明しましょう。

加害者の説明と違っていても、異なる内容の実況見分調書を2通作成してもらえばいいだけのことであり、双方の言い分を一致させる必要などないのです

実況見分調書は示談交渉、裁判において極めて重要な証拠となるため、記憶と異なる事故状況で作成されると困ったことになります。

裁判で「記憶と異なる説明をしてしまったのです」「警察が勝手に作成したのです」と主張しても、裁判官はなかなか認めてくれず実況見分どおりの認定をしてしまいます。

裁判官としても、それなりの理由がなければ「警察官が虚偽の調書を作成した」という判決は書きにくいですし、「記憶と異なる説明をしてしまった」という判決も同じです。

とにかく記憶のとおりに説明しましょう。

なお、実況見分で記憶と異なる説明をしてしまったときは、警察に説明して再度の実況見分を依頼してみましょう。

状況によっては再び実況見分を行ってくれることがあります。

警察での事情聴取

事情聴取とは?

自転車事故の状況について話をし、供述調書というものを作成してもらいます。

基本的には実況見分で説明した事故状況を確認していくことになりますが、走行していた速度や、具体的な走行状況、相手の落ち度だと思うこと、自分の落ち度だと思うことなど、詳しい話を聞かれます。

大きな怪我をしているときなど、病院や自宅で事情聴取が行われることもありますが、基本的には警察署に行って話をすることになります。

自転車事故について話す内容は多くないはずですが、事情聴取は思ったよりも時間がかかりますので、事情聴取後に大事な予定を入れないよう注意しましょう。

事情聴取で気をつけることは?

事情聴取でも、記憶のとおりに話すことが重要です。

嘘をついてはいけないというのは当然のことですが、警察から何らかの誘導を受けても自分の記憶を優先するという意味です。

また、事情聴取では必ず「自分の落ち度」について聞かれますが、みなさん「もう少し減速すればよかった」「もう少し確認すればよかった」などと、何か一つは落ち度として答えているようです。

過失割合の争いでマイナスになるのではないかと心配されるかもしれませんが、ごく普通の「落ち度」を述べることで不利益を受けることはありません。

参考ページ:自転車事故の事情聴取や実況見分で気をつけることは?

刑事処分

警察での捜査が終わると、事件は検察庁へ送られることになります。

検察庁では必要であれば追加捜査が行われ、加害者に対する刑事処分が決められます。

刑事処分には以下のものがあります。

  1. 不起訴処分
  2. 略式罰金
  3. 正式起訴(公判請求)

自転車事故では不起訴処分が多いのですが、怪我が重く過失が大きい事案では略式罰金も増えてきている印象です。

加害者の処分が略式罰金となると「罰金前科」がついてしまいますし、数十万円の罰金を払わないといけないので決して軽くない処分です。

交通事故の弁護士

まとめ

自転車事故で警察に報告した後の流れについては、怪我をしていれば人身事故にし、実況見分調書、事情聴取では記憶のとおり説明するということさえ意識していれば、特に心配するようなことにはなりません。

警察とのやりとりに不安を感じましたら、西宮原法律事務所の無料相談でお気軽にご相談ください。